人質を守れなかったサニーはあれから虚ろ目になっていた。無気力になり何に対しても気力が起きない彼女をアムールは気にかけていた。

「私出かけてくる・・・」
サニーはそう言い残して家を出た。

街は平穏で昔よりも治安は良くなりつつあるが、サニーには灰色に見えた。住民も様子のおかしいサニーが気になっているが、今の彼女にはどうでもよく見えてしまった。
街から河川敷に出ると川を眺めた。水面には無気力な表情のサニーが写っていてその姿を見た彼女は自分の無力を痛感した。

やがて人気のない開けた場所に出ると突然周囲に衝撃が走った。目の前に現れた黒マントの姿にサニーは見覚えがあった。

「まさかデッドデビル?」

「まさかこの俺を覚えてるとはねえ。それとデッドデビルはなんかダサいからやめろ。そうしないと殺すよ。」
デッドデビルはこの異名を嫌っていた。サニーはそんな彼の異名を変えた。

「じゃあダークジャスティスね。」
「別に悪くねえな。ククク・・・まあいい、あの時の借りは返すよ!」
彼はそう言うとサニーに攻撃を仕掛けた。抜け殻状態のサニーはなすすべもなく押されてしまう。

「これほどまでに落ちぶれようとは、防戦一方で退屈だけどここでくたばってもらうよ。」
「殺したきゃ殺せばいい・・・私には何も守れないから・・・」

予想外の返答に驚くダークジャスティス。彼はひたすらサニーを甚振った。

「終わりだ」
ダークジャスティスはとどめの斬撃を放った。攻撃はサニーに向かって一直線で飛んでいく。

サニーは黙って攻撃を受けるのを待っていた。

「最後に言い残すことはあるか?」
「全てを救えなかったけど私は充実した人生送れたよ。」

サニーはそう言うと黙って微笑みかけた。攻撃はサニーの目の前まで迫り、死亡するのも時間の問題だった。

すると突然何者かによって攻撃をかき消された。サニーの目の前にはアムール、ルージュ、フローラ、ソレイユ、マイケルがダークジャスティスの前に立ち塞がっていたのだ。

続く

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